アテネからサラミス湾を左に見てコリント地峡の運河を渡ると、すぐコリントです(バルーン)。
そこからミケーネを経て南下すると、アルゴスの湾に作られたナウフリオンの港にいたります。
東の丘陵地域に傾斜地形を利用して作られたのがエピダウロスの劇場です。
コリントには、エジプトの神殿を彷彿とさせる、「柱梁構造」のアポロン神殿の遺構があります(photo1 エジプト > 神殿 を参照ください)。
アポロン神殿のかなたに見えるのが「アクロ・コリントス」です。アテネの場合、アクロポリス(城砦)は町の中心にありましたが、コリントの場合は、1.4kmほど離れた小山の頂にありました。「アクロ・コリントス」に現在残っているのは、ヴェネツィア共和国が建造した要塞です。ヴェネツィアの要塞は、ナウフリオンの港とそこを見下ろす山の上にもありますが、中国の万里の長城にじつによく似ています。
ヴェネツィアが「第4回十字軍」で東ローマ帝国(「ビザンツ帝国」)を実質的には滅亡させたこと、またオスマン帝国の首都イスタンブールに拠点を構えていたことはよく知られていますが、アドリア海沿岸からギリシャ本土にかけて多くの軍事拠点をもっていたのです(シカゴ大学の歴史学者ウィリアム・マクニールでさえ、ギリシャのあちこちに要塞があるのを見て驚いたそうです。W. マクニール『ヴェネツィア』)
ギリシャの劇場というとまっさきに名前のあがるのがエビダウロスの劇場です。自然の地形を利用してつくられた観客席の傾斜はかなり急峻です。