紫禁城から天安門、前門を経て南下すると天壇の西門に至る
北京にはこの天壇の他、地壇(北)、日壇(東)、月壇(西)、あわせて4つの祭壇が、都城の四方に配置されています。
皇帝は、儀式の都度、紫禁城を出発して北京の中心軸(左の地図の中央)をまっすぐ南下し、正門である西門から天壇に入りました。この都城の軸線とはずれていますが、天壇自体の南北の軸線にそって、3つの主要な建築である「円丘壇」「皇穹宇 こうきゅうう」「祈年殿 きねんでん」が順に南から北へと並んでいます。いずれも、「天」をかたどる円形の建造物です。天壇の敷地じたいも、北側が「天」をかたどる円形、南が「地上」をかたどる方形となっています。
冬至に天帝に礼拝した「円丘壇」は、その中心の石が地上世界の中心だとされ、人々が代わる代わる立って記念写真を撮っていました。年頭に皇帝が豊穣を祈った「祈年殿」は周囲に超高層ビルが見えることもなく、その巨大な円形の木造建造物を蒼天に屹立させています。
2泊3日の北京観光の4大スポットの一つで、国内外の観光客で賑わういっぽうで、割引で入場できる大勢の北京市民たちがダンス、楽器演奏、雑談に興じていました。